どうもこんにちは。インターン生の紗羅です。
昨今、働き方改革などの影響もあり、働き方自体に変化が起こっただけでなく、様々な人々の雇用形態にも変化が訪れたように感じます。
この記事では、内閣府が挙げる「女性デジタル人材育成」の概要と、様々な自治体や企業の取り組みを紹介していきます。
まず日本は慢性的なデジタル人材不足に陥っています。詳細については下記の記事をご覧ください。
そんな状況を打破するために白羽の矢が立ったのが、女性です。
内閣府の資料によると、
- コロナ下において非正規雇用労働者の状況は悪化し、中でもパート勤めが多い女性を取り巻く環境は厳しいものになっている。常に需要過多のIT業界ではそのような心配がなく、安定した仕事に就くことができる。
- 人生100年時代に突入し、女性が長期的に経済的自立をする必要がある。
- IT業界は男性の割合が圧倒的に多く、ジェンダーギャップ問題を解消する手立ての一つ。
以上のポイントも踏まえて、現代のIT業界に女性の労働力が参入することは、IT業界にとっても、女性にとっても良いことだと言えるでしょう。
この女性デジタル人材育成プランの主な趣旨は、
- 基礎的なデジタルスキルの獲得を支援し、IT業界の間口を広げること
- 育児や介護等で時間的制約のある女性のために、柔軟な働き方を実現
- 自治体や企業に周知させる
事によって、女性の就業獲得や所得向上が期待出来るというものです。
自治体の取り組み
兵庫県豊岡市
兵庫県豊岡市では、子育て等の時間的制約がある女性にデジタルマーケティングのノウハウや技術を習得するためのセミナーを定期的に行っており、地域企業へのインターンシップやハローワークと提携した就労支援を行っています。
また、この取り組みで技術習得した女性が次の女性デジタル人材を育成することによって持続性のある仕組みを実現します。
兵庫県宝塚市
兵庫県宝塚市は、長引くコロナ渦で就労に困難を抱える女性に焦点を当てて、居場所や気軽に相談ができる場所を作り、同時にパソコン講座を行い、自身のスキルアップにつなげる取り組みをしています。
相談件数は200件以上で、コロナ渦で困難な状況に立たされている女性が多いことが浮き彫りになりました。また、定期開催されているパソコン講座は全日程満席だそうです。
企業の取り組み
株式会社MAIA
MAIAは、地方に住む経済的自立を望む女性に向けて、オンラインでスキル向上のセミナーを開いたり、即戦力となった女性で宇治田る人材をMAIAと提携する企業や自治体とマッチングするなど、積極的に活動している会社です。
また、多様な働き方を支持し、時間的制約などによって就職をあきらめていた女性が高単価なデジタル人材となるケースもあるそうです。
一般社団法人 Waffle
ここでは、上記とは少し違った取り組みが行われています。
Waffleでは、IT技術者として一定以上の収入を得る女性を増やすため、進路決定のジェンダーギャップが生じやすい中高生を対象にプログラミングに関するイベント等を開催し、女子学生のITの関心を高め、将来の職業選択の間口を広げる取り組みをしています。
また、コンテストを開催したり、インターンの機会を与えることによって女子学生のIT関連職への就職をサポートしています。
おわりに
日本ではやはり、家事育児は未だに女性が担っているという現状がありますし、正社員になるのが難しい女性がデジタルトランスフォーメーションの一端を担うことで、ITの新しい道が開けるだけでなく、人材不足解消の手立てにもなります。
しかし、今内閣府が掲げるプランは臨時労働力を確保するものに他ならないと思います。
ジェンダーギャップ問題に関して、理系職のみならず管理職のほとんどが男性なのが問題の根底にあるのではないでしょうか。
このプランでは、大学などで専門学科を学び、学位を得た人の下に、講習やオンラインセミナーなどで基礎を学んだ女性(時間制約付き)が働くという構図を崩すことは出来ません。本当のジェンダーギャップを解消したいのならば、理系=男性という潜在的概念や、子育てや介護を女性が担うという構図を崩していかなければなりません。
もちろん今、就業の困難を抱えている女性に雇用の準備を手助けすることは重要です。しかし、なぜ「育児や介護をしている女性」「コロナ渦で失業した女性」に特化した雇用の仕組みを作らなければいけない社会なのでしょうか。
大学進学に関して男女比はもはや無いといっても過言ではないのに、なぜ、女性は非正規雇用の割合が高いのですか?それが回りまわってコロナ渦での失業などに繋がるのではないのですか?
はたして本当に女性は先天的に理数系が苦手で、ITは男性が有利なのでしょうか。
次の記事では諸外国の状況と行われている取り組みについて紹介していきます。